【好きすぎて、アニメ・映画も一気見!!】三浦しをん『舟を編む』

10月は三浦しをんさんの作品を初めて読んでみることに。

だいぶ前に『舟を編む』の映画を観たことがあって、頭がボサボサで根暗な男の人が、本が山積みになった場所でずーっと机に向かっているっていうイメージはあったのですが、ちゃんとしたストーリーまでは覚えていない。

でも、なんだか好き。

そんな曖昧な記憶の中で、読んでみました。

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『舟を編む』のあらすじ

新しい時代の辞書『大渡海』を刊行するため、編纂する辞書編集者のお仕事小説。

本の虫で、傍から見れば変わり者。
出版社の営業社員としては素質のないお荷物社員の馬締(まじめ)が、辞書編集部に引き抜かれ、中型辞書『大渡海』を作り上げるため、長い年月を費やす。

『舟を編む』の魅力

本を閉じたとき、そっと撫でて愛でたくなるような愛情のこもった素敵な作品でした。

①言葉の海

「言葉の海、それは果てしなく広い。辞書とは、その大海に浮かぶ一艘の舟。人は辞書という舟で海を渡り、自分の気持ちを的確に表す言葉を探します。それは唯一の言葉を見つける奇跡。誰かとつながりたくて、広大な海を渡ろうとする人たちにささげる辞書。それが“大渡海”です」

タイトルの「舟」は辞書のことを指し、
「編む」には、多くの材料を集めて本を作るという意味があるそうです。

我々が他人とコミュニケーションをとるときの会話や文書に欠かせない”言葉”

普段あまり意識したことはありませんが、相手とスムーズに意思疎通できるのは、辞書があるから。他の書籍とは違って、企画から店頭に並ぶまでに何年もの時間をかけて作られる。

何万語もの言葉を集めて、語釈をつける。原稿を何度も繰り返し修正して漸く本の形になる。

気の遠くなる作業を丁寧に行ってくれる方がいるから、私たちは安心して言葉を使えているのでしょう。

 

「希望を乗せ、大海原をゆく舟の航路に果てはない。」

『舟を編む』は名言が多く、「この言葉素敵!」「うわぁ~、なんていい!!」と感じる場面が多くあります。

その中でも、一番好きなフレーズです。

辞書に「完成」は存在せず、出版されてもすぐに改訂作業が待っている。

常に新しい言葉が生まれる海に終わりはない。

永遠に先が見えず、真っ暗で不安
本当にこのまま、突き進んでいいのだろうか?という不安も襲ってくるのでしょうが、まだ見ぬ世界を探しに行く海賊の様なロマンを感じました。

②笑いの要素多め

超大作な恋文

これまで恋とはまったく無縁の男・馬締にも好きな人が!

想い人のために心を込めて書いた恋文を渡すのですが、恋愛経験のない彼は、便箋15枚に渡って自分の気持ちをしたためます。

相手に気持ちが伝わるのか。
そして、15枚も一体何を書いたんだい?!とツッコミを入れたくもなるような場面も。

あまりにも不器用すぎですが、一生懸命な姿は応援したくもなります。

映画・アニメと比較

読了して、ストーリーが鮮明なうちに、映画とアニメの『舟を編む』も観ました!

原作と違うところはありますが、三者三様でそれぞれの良さもありましたので、その点について述べます。

映画と比較

正直な話をすると、大渡海が出来上がるまでの過程が原作と微妙に違っていたり、ちょっとイメージと違うなぁ。。。と感じる登場人物もいます。

映画版の良かったところは、全体的な世界観や雰囲気です。

例えば、言葉集めの為に使う「用例採集カード」は、ものすごく色褪せているものと、そうでないものがあったりして、それを見るだけで時の流れを感じます。

馬締の暮らす早雲荘も、本がたくさん置かれています。

原作の世界観を再現したら、きっとこんな感じなんだろうなぁ~というイメージ通りでした。

アニメと比較

映画の様な完成度の高い世界観は味わえませんが、全体的なストーリーの忠実度は、映画よりもアニメの方が高いでしょう。

本編の前半と後半の中休み時間で毎回、「おしえて!じしょたんず」というコーナーがあるのですが、原作で書かれているけど、本編に組み込めなかった内容が組み込まれていました!

登場人物の魅力が引き立っているのも、アニメです!

※アニメの最終回は、感動してウルッとしますので、電車の中での鑑賞はおすすめしません。

おわりに

さすが、本屋大賞受賞作!
文句なしに面白かったです。

“大渡海”を刷るためだけの紙を選ぶシーンがあるのですが、ここにも非常にこだわりを感じます。
ページを捲りやすい「ぬめり感」のある紙、いろんな辞書を触り比べて確かめたくなりました。

映画やアニメも面白くて、それぞれ楽しませてもらったのですが、やはり原作も読んでもらいたい。

映像では表現しきれないストーリーもありますし、大渡海が出来上がるまでの15年を一番感じれるのは、原作だと思います。

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